はじめに
今回お届けするのは「力学編」です!
クレーン編も今回の「力学編」と最後の「法律編」を残すのみ…
ぜひ最後までお付き合いください^^
「力」に関する基礎知識
力の三要素

画像は大学受験対策ポイント解説サイトTEKIBO様(https://tekibo.net/physics-11/)より。
・力の大きさ…矢印の長さで示されます。
・力の向き…矢印の方向で示されます。
・力の作用点…矢印のスタート地点です。
この→を「ベクトル」といいます。
日本語でも使うことができます。
例えば「彼の考え方と、会社の考え方は目指すベクトル(方向)が違う」という感じ。
力の「合成」「分解」「モーメント」
力の合成

画像は中学理科のまとめ様(http://rikamato.com/2017/11/27/3_2/)より。
こんな風に、同じ方向を向いている矢印同士は足すことができます。
あるいは、真逆の方向を向いている矢印は引くこともできます。

この図も力の合成を表したものです。
斜め方向に向かう矢印同士を足すと、その間に向かう矢印ができます。
こんな風なものも「力の合成」といいます。
合成されてできた矢印を「合力」といいます。
この2枚の図であれば、「合力」はそれぞれ「5N」「1N」「赤矢印」になります。
しかし、問題ではややこしい書き方がされます。
例えば「2つの力が一直線上で向きが同じときは、その合力はそれらの力の和になる」みたいな。
正解は「〇」なんですが、分かりにくいですよね。
「和」というのは「足し算」のことです。
上の文章を分かりやすく言い換えると、
「2つの力が同じ方向にかかるとき、その合力はそれらの力を足し算すればわかる」
という感じ。
「和」は「足し算」でしたが、他もあります。
「差」は「引き算」
「積」は「掛け算」
「除」は「割り算」
のことです。
力の分解
力の合成の反対です。
1つしかない矢印を2つ以上に分けることを「力の分解」といいます。
このとき、分けられた力を「分力」といいます。
力のモーメント
日常生活では
物体を回転させようとする力のことです。
シーソーを思い浮かべてみてください。
片方に人が乗ると地面につきますよね。
あれは「シーソーの板が回転しようとして地面に当たり、回転が止まっている」という状態です。
モーメントの場合はこれに加え、「距離」という要素が大切になります。
シーソーで「同じ重さの人」が「中心から考えて同じ距離」に座ると「釣り合います」。

画像は教科書をわかりやすく通訳するサイト様(https://kyoukasyo.com/2020/02/13/6science21/)より。
ではここで一人が「後ろに下がっていく」とどうでしょう。
「後ろに下がった人」の方が「下がっていく」ことになりますよね。
つまり、同じ体重でも中心から距離があればより強いモーメントを働かせることができるのです。
モーメントが、「力×距離」の計算式で表されているのはそういう理由です。
クレーンでは
クレーンの車体にかかる重力を「安定モーメント」といいます。
積み荷にかかる重力を「転倒モーメント」といいます。
そして安定モーメントを転倒モーメントが上回るとクレーンは転倒します。
これはジブの傾斜、ジブの長さ、ジブの向きによって変わっていきます。
ジブを長くすると、シーソーでいうところの「後ろに下がっていく状態」になるため、
転倒しやすくなるということです。
実際はもう少し複雑ですが、ひとまずイメージが大切なのでこんな感じで…!
質量と重心
質量
「密度」ともいいます。
計算式は、「質量=単位体積当たりの質量×物の体積」です。
単位体積当たりの質量は、物質ごとに異なります。
単位はt/㎥です。
例えば銅なら8.9t/㎥、アルミなら2.7t/㎥、コンクリートなら2.3t/㎥です。
これはつまり、厚さ1メートル、幅1メートル、高さ1メートルで考えたとき、
銅なら8.9トン、アルミなら2.7トン、コンクリートなら2.3トンになるということです。
ちなみに水はちょうど1トンになります。
では例題です。
厚さ0.3メートル
幅0.4メートル
長さ2メートル
という鋼板があるとします。
質量はいくつですか?
鋼の質量は7.8なので、
3×2×0.022×7.8=1.872t/㎥
という答えになります。
掛け算をすれば良いだけですね。
重心
物の重さの中心です。
クレーンで物を吊るときに重心の真上を吊り上げると荷物は安定します。
常に吊りたい荷物の重心がどこにあるか考えるようにする必要があります。
物体の運動
運動
運動には2種類があります。
等速度運動…常に一定の速さで移動すること
加速度運動…速さを変化させる運動のこと
慣性
全ての物体に働く力で、「止まっているものは止まり続け、動いているものはその動きを続けようとする力」のことを「慣性」といいます。
電車が止まるとき、乗っていると変に引っ張られる力が働きますよね。
電車は止まろうとしていますが、乗っている人には、実は「前に進もうとする力」が働いているために起こるのです。
テーブルクロスを引き抜いたときに、上に乗っているものがそのままになるのもこの「慣性」。
上に乗っているものは、そのまま止まり続けようとしているのですね。
遠心力
クレーンで作業をする場合は「荷物を持って、クレーンを旋回させたときに働く力」です。
旋回速度が大きかったり、作業半径が大きかったりすると、荷物に働く遠心力が大きくなります。
ひどい場合は車体が転倒します。
滑車
力の向きを変える「定滑車」と、小さな力で重いものを移動させる「動滑車」があります。
動滑車が1つあると、持ち上げる力が半分で済みます。
2つあれば更に半分、100キロのものを25キロの力で持ち上げることができます。
ただし、その分ロープを動かす必要があります。
普通ロープを動かす距離が1メートルで良いところ、動滑車が1つあれば2メートル。
2つあれば更にその倍、4メートルのロープが必要になります。
荷重と応力
荷重
機械や構造物にかかる外からの力を「荷重」といいます。
・静荷重…吊って静止したときの荷物の重さ等
・動荷重…動かしているときにかかる力
・衝撃荷重、繰り返し荷重等
応力
物体に荷重をかけると、物体の内部にそれとは反対の力が発生します。
それを応力といいます。
不思議ですが、物体から押し返す力が発生している、ということですね。
まとめ
次の更新時は「法律に関する知識」を取り扱います♪
いよいよ小型移動式クレーンに関する最後の更新です。
ではまた次回!
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