【徹底解説】林業の「枝打」とは。目的、時期、道具、方法をご紹介!

林業

「枝打」の目的

枝打ちは一定の高さで枝を根本から切り落とす作業です。

そうすることで材にしたときに節のないものにすることができます

近頃は建築のやり方が変わったので節があっても大丈夫なものも増えていますが、

枝打をすることで林の光環境を改善して地面に生える植物を育てますし、森林火災や虫害の防止にも繋がります。

そのため下刈が「消極的な守りの作業」と表現されるのに対して、

枝打は「積極的な攻めの作業」と表現されることがあります。

時期

枝打は紅葉の始まる頃から雪の降る頃にするのが推奨されています。

春から夏にかけては木の成長が盛んなため、枝を切ると樹液が多く出てきてしまいます。

木は自分自身の傷の修復のためにエネルギーを使うことになり、その年の成長が遅くなります。

成長が遅くなる=年輪の幅が一致しないということですから、切断面が美しくなりません。

良材を生産する手段の枝打でそうなってしまうのはふさわしくないですよね。

また、積極的に成長している木は柔らかく、幹にも傷がつきやすかったり、皮がめくれやすくなったりもしています。

このあたりを防ぐために春から夏前までは枝打をしないほうが良いと言われています。

枝打は冬にもできますが、低温のため木が硬いこと、刃が痛みやすいこと、作業がしづらいこと、といった理由からあまりオススメではありません。

どうしても枝打をしたいのであれば、少し暖かくなってから、

しかし本格的に芽が出てくる前にするのが良いと思います。

必要な道具

まずは以下をご参照ください!

林業ではどんな道具を使うの? 現場の林業家が詳しくご紹介!

上の記事にあるものが基本的なセットです。

枝打の場合はそれに加えて手ノコ、高さによってはハシゴを使います。

手ノコ

このノコギリを使って枝を切ります。

「枝打」という名前の通り、かつてはナタを使っていたようですね。

ノコギリを使って切り落とすというよりは、ナタで叩き切るようなイメージです。

そのため「枝打」といっていたとか。

ただナタでの枝打は熟練者でないと安定しないということです。

ノコギリの方が初心者でも木を傷つけずに枝打できるので、個人的には推奨です。

でもナタを使用した方が材としてはきれいになりやすいらしいです。

ナタ使用(初心者)< ノコ使用(初心者)≦ ノコ使用(熟練者)< ナタ使用(熟練者)

というランクで材の質が上がるということですね。

これまた不思議…笑

丸ノコを使用している会社もあるようです。

こういうやつ。

ただけっこう指を切り落とす人が多く、一部では「指打機」と呼ばれるとか。

効率はめちゃくちゃ良いはずですが、私は怖いので手ノコを使います^^;

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ハシゴ

これが使用しているもの。

3メートルあって、「4メートル枝打」で使用します

枝打には他にも「2メートル枝打」、「6メートル枝打」があります。

私がしたことがあるのは2メートルと4メートルだけですが…。

2メートルの場合はハシゴはいりません

手を伸ばして枝打をします。

今回は4メートルなのでハシゴが必要、ということです。

高さのイメージとしてはこれくらい。

横にある車は社用車、日産バネット(高さ約2メートル)です。

具体的な方法

基本セットの持ち物と、手ノコ、ハシゴを持って山に入ります。

基本的には幹と水平にノコを入れてきれば良いのですが、枝の元が盛り上がったやつは要注意です。

っていうかほとんどの枝の元が盛り上がってます。

「座」と呼ばれる部分で、ここは切らないようにします

そこを切らずに枝だけ切るので少しこぶのように盛り上がりますが、それでよし。

枝の部分が水分を失って縮み、こぶの部分に隠れるようになり、そのまま覆われていきます。

無理にこぶの部分を切ると不必要な部分まで傷つけ、木の成長を阻害するので気をつけましょう。

そして植付や下刈と同じように、等高線に進みます

2メートル枝打の場合は等高線の2ラインを担当しましたが、今回の4メートル枝打では1ラインのみ

単純にしんどいということで、深い理由はありません!笑

班で行う場合は上の等高線で枝打する人と、下の等高線で枝打をする人が少し離れるようにします。

落ちてきた枝が当たると危ないので。

でかい枝だとけっこう重いです。

範囲の端まで全員で等高線に進んだら、また全体で下に移動して、反対の範囲まで等高線に進みます

その繰り返しという感じですね。

実はこの4月から二度枝打をしています。

一度目は推奨されていない6月に1.5~2メートルの高さで、二度目は9月に3.5~4メートルの高さで枝打をしました。

木の成長度合いやどのような材にしたいかという目的の違いによってその高さが決められます。

今回4メートルの高さということだったので、3メートルの材もしくは4メートルの材を取るということでしょう。

6メートルの枝打をすれば、3メートル材×2、4メートル材、6メートル材の3種類を取ることができます。

2メートルの枝打は良い材を得るという目的であれば必須です。

ビール瓶くらいの太さで枝打をするのが目安です。

そして上から順番に枝を切りながら下りてくるのが安全かつ正確です。

ハシゴをかけ、邪魔な枝を切りながら上がる→枝を切りながら下りてくるという感じ。

・粉が目に入らない

・枝が下の枝に支えられるため一気に落下しない

・逆光にならない

・ハシゴに邪魔されず切りやすい

・力が入る

・木に対して水平に切りやすい

一気に上って切りながら下りてくるという工夫をするだけで、以上のようなメリットがあります。

まとめ

今回は枝打についてまとめました。

枝を切るだけという単純な作業で、無心に取り組めてけっこう楽しいです。

慣れてくるとハシゴを木から離して枝を切ったり、するする上れたりして上級者になった気分…笑

ただハシゴがくるっと回って木にしがみついている先輩がいたり、

ハシゴが枝にかかってるのに気づかず上り始めてガタン!と落ちる同期がいたり、

安全なばかりではありません。

高所にいるという自覚は持たないといけないなーと思います。

今回はこのあたりで。

ではまた次回!

林業ってそもそも何するの? 現場の林業家が詳しくご紹介!

【徹底解説】林業の「下刈」とは。目的、時期、道具、方法をご紹介!

 

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